先進自治体を訪ねる
これまで、市議会の市外調査や政務調査で多くの先進自治体を訪ねました。 参考になる先進例は数多くありましたが、
その中でも特に印象に残っていることを紹介したいと思います。 内容は調査時点の状況です。
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企画立案から町民参加 20才未満の町民も参加できる町民投票制度 住民参加を条例で保障 「役所や議会などのいわゆる専門家が決めたことに従っていれば良かったのがこれまででした。でも今は違います。価値がたくさんあるのです。価値の多様化と財政難の中では、政策決定の方式が明らかでないと、どんな事業をしても住民は満足しません。 これからの地域づくりは、本当に上意下達だけで進むのでしょうか。私は、町民が主体的に参加をしてものを決め、実施をすること、つまり地域をつくりあげる過程を共有することによってはじめて、自分がその地域に生きているんだという満足感が得られることになると思っています。」 逢坂誠二 ニセコ町長 住むことが誇りに思えるまちにしたい 清流が流れ、温泉地が点在し、スキー場を中心に毎年130万人前後の観光客が訪れます。急速な人口減少にも歯止めがかかりました。しかし、地域の経済や住民活動は沈滞傾向にあります。農業も観光も伸び悩みです。 こうした停滞しつつある町を活性化させるには、先ずニセコに住む人々が「住むことに誇りと喜びを感じること」が最も大切なことと考え、平成6年度から積極的に「住民の視点に立った、住民主体のまちづくり」を進めることにした。 |
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そのためには、住民と行政との「情報の共有」とそれに裏打ちされた「住民参加」が必要であり、一つづつ積み重ねながら実践してきたとのことです。「ニセコまちづくり基本条例」は、それらの集大成としてつくったものとのことでした。 公開するのが当たり前 情報は公開するのが当たり前。「情報公開」は求められてから情報を出す。「共有」は、役所の情報や能力、考え方が知りたいときに誰もが手続きなしで見られる考え方。役所ことばを改善し、わかりやすく積極的に情報提供していることが伝わってきました。 町民投票制度 町民投票制度は、重要な問題について事案に応じて条例を定め、20才未満の町民の参加も考えているとのこと。
各種委員の公募、事業別の住民検討会議、5人くらい集まれば町長が指定された場所におじゃまする町づくりトーク、まちづくり町民講座等々、住民参加が進む中で、町民の声が提案型に変わってきているとのことでした。
「まちづくり基本条例」には、まちづくりの基本原則、情報共有の推進、まちづくりへの参加の推進、コミュニティー、町の役割と責務、まちづくりの協働過程、財政、評価、町民投票制度、まちづくり基本条例の位置づけ等が定められています。 「まちづくり基本条例」にもとづき環境基本条例をつくる作業を進めているところとの説明でした。 得るところが多い調査でした。 2001年8月19,20日 政務調査 |
お金が無いから職員がまちへ出る、 苦情を聞く、解決へ努力する 保護者 → 通学路が危ない お金がないから職員がまちへ出て市民の苦情を聞き、汗をかいて解決に努力するという姿勢が大事とのことでした。 2006年10月19日(木) 総務財政常任委員会 |
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…愛媛県内子町… 内子の町が内子らしくあるために 【……(略)……内子町はこれまで景観づくりを心がけてきた。例えば役場の建設行政主管部署を「建設デザイン班」という名称にしたのは、経済性を追求する土木行政において、景観やデザインにも配慮せよという警鐘を鳴らす意味であえて「デザイン」という言葉を入れた。 しかし、一方で河川等の災害復旧事業において、コンクリートで実施してしまい村並み保全を進めている内子町としては、こんなことはすべきではなかったと反省している。いまは、美しい景観は自ら戦いとるものだと痛感している。…(略)… 】 「内子町景観まちづくり計画」より 全国で多くの市町村が人口の減少、農林漁業の衰退、財政のひっ迫という危機感を抱いています。でも何故この町は職員も住んでいる人達も活き活きしているのだろう、そう思わせる町でした。 2010年11月15日(月) 政務調査 |
マイナス13℃の局地寒波で… 1981年2月、上勝町はマイナス13℃という局地的な異常寒波に襲われ、ほとんどのみかんが枯死、全滅。 町特産の〝ゆこう〟や〝すだち〟も枯死寸前の状態になりました。 主力産業の〝みかん〟や〝ゆこう〟が全滅したことにより、やることがなくぶらぶらしているまちの人達を多く見かけるようになったとのことです。 当時、農協職員だった横石知二氏(現・株式会社いろどり社長)は、仕事熱心だった女性たちに何とか活躍の場を提供できないかと考えていました。 ある時、大阪のすし店で添え物の葉っぱの美しさに感動しているお客さんを見て、これだと思って取り組み始めたのがいろどり事業とのことでした。 1軒の農家から始まった〝葉っぱビシネス〟 農家に呼びかけたところ1軒の農家が協力してくれたとのことです。 「現場の声を聞いたことがあるか」と言われ、必至で料亭や市場周り。けれども、ただ話を聞かせてください、では話は聞かせてもらえず、販路開拓は想像以上にきびしいものだったとのことです。
奥さんからのアドバイスと協力もあり、横石氏がお客さんとして周った料亭は1,000軒以上。給料の殆どを投入し10年を超える期間をかけて聞き歩いたとのことです。 その後、登録農家も増えて194軒となり、現在、〝葉っぱビシネス〟(いろどり事業)は年商2億6千万円の売り上げとなっています。年間320種類の葉っぱ等を扱っているとのことでした。 2010年11月17日(水) 政務調査
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…愛媛県四国中央市…
誰が市長になってもくるわない
市民の手で 新市の一体化をはかろうと2005年4月に「自治基本条例検討委員会」を立ち上げ。完全公募制を採用した。公募委員は、住所や年齢、性別など全ての要件をはずしたとのことです。無報酬。応募が42名(市内37名・市外5名、女性9名・男性33名)あり、42名でスタート。会議が週1回の割合で開かれる中で、キツイ、ついていけないということで最終的には22名になったとのことでした。 運営は世話人会で 運営は世話人会が行い、行政は事務局にまわったとのことでした。 市民が選んだコンサル コンサルタントは市民が選んだとのことです。コンサルタントには事務整理、資料集めに徹してもらい、コンサル料は546万円。専門家はその道の第一級の方ということで愛媛大学の辻山幸宣先生にお願いしたとのことでした。 全会一致になるまで 市議会に上程するな…市長 市長から「誰が為政者になってもくるわないルールづくりをやってほしい」「全会一致になるまで市議会に上程するな」と指示され、2年3カ月、延べ250時間かけ徹底的に議論した。市議会では全会一致で可決制定されたとのことです。
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継続できた要因は… ◎参画意識(プロポーザルコンペ・市民が市民に説明する住民説明会) 等が、激論をたたかわしながらも継続できた要因ではないかとのことでした。 議会内での条例不要論と 市民の中の議会不要論 1
設立当初から市議会行政改革調査特別委員会から保守2名が参加した。公募委員として共産1名参加、途中から公明2名が参加した。議会内で条例不要論があり、必要性についての理解を深めるためと思うとのことでした。 議員を愚弄するような言葉も素案の段階であったが、背景には議会不要論もあるとのことです。 条例で住民投票を定め外国人にも投票権を付与することで一致し、議会の理解もあったが、市民の中に反対意見が少なからずあり、2,000の反対署名が寄せられて外国人投票権は時期尚早ということになったとのことでした。 制定後の個別条例や 議会の動き等 基本条例制定後、タウンコメント手続き条例、審議会等の運営に関する指針(公募、公開、兼任の制限等定める)、住民投票条例、個別外部監査条例が制定された。 市民自治推進委員会は未だ設立されていない。2012年に設立する予定とのことです。 議会では、政治倫理条例をつくるための作業が進められている。兼業の禁止規定は完全禁止の内容になっている。ここまでやるかという位厳しく考えているとのことでした。 今後の課題としては、さらなる職員の意識改革(まだ研修が必要)と協働の担い手が必要(NPO法人の立ち上げ)とのことでした。 |
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