… 尖閣諸島、竹島、全千島列島 …

         領土問題をこう考えます

                                      市政レポート NO.368  2012年9月23日号より

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   現在、尖閣諸島、竹島の問題で中国、韓国と摩擦が起きています。千島列島の問題も含め、何故、日本の歴代自民党政権、民主党政権は、領土問題で道理をもってしっかりと主張できないのでしょうか。

日本共産党は、尖閣諸島、竹島、全千島列島は歴史的にいずれも日本の領土であるとの考えです。歴史的に、また国際法の上でも日本の領土であることははっきりしています
 暴力的行動は許されませんが、何故、このように大きな

問題になってしまうのか。その大きな要因に日本の侵略戦争があるのではないでしょうか。

南京大虐殺はなかったとか、従軍慰安婦は勝手に行ったものだとか、犠牲になった国の立場からすれば到底容認できないようなことを日本の政治家が言っている、侵略戦争に対する反省がないと受け止められていることが背景に大きく横たわっているように思います。殴った方は忘れても、殴られた方は忘れません。


     尖閣諸島

 尖閣諸島の存在そのものは、古くから中国にも日本にも知られていました。しかし領有を示す記述は文献などにもなく、近代まで尖閣諸島は、どの国の支配も及んでいない国際法でいう「無主の地」でした。

 その後、尖閣諸島を探検した日本人の古賀辰四郎氏が1885年に同島の貸与願いを日本政府に申請し、政府は沖縄などを通じた現地調査のうえで、18951月の閣議決定で尖閣諸島を日本領に編入しました。歴史的には、この措置が尖閣諸島に対する最初の領有行為でした。

 これは「無主の地」を領有の意思をもって占有する「先占」にあたり、国際法で認められている領土取得のルールです。
 その後、第二次世界大戦まで日本の実効支配が行われました。戦後、米軍の支配下におかれましたが、1972年の沖縄返還とともに、日本の施政に戻っています。


 

 中国は1895年から1970年までの75年間、一度も日本の領有に対して異議も抗議も行っていません。
 中国側は日清戦争に乗じて日本が奪ったという主帳をしていますが、日清戦争による台湾・澎湖列島の割譲という侵略主義、領土拡張主義とは性格がまったく異なる正当な行為でした。
 歴史的にも国際法的にも尖閣諸島が日本の領土であることは明らかです。

   

  竹 島

 古くから日本の文献にも「松島」の名で表れ、アワビ、サザエなどの漁に利用されていたとのことですが、この島の帰属は必ずしも明確ではなかったようです。
 1905年、竹島でアシカ漁に従事していた隠岐島の中井養三郎氏からの求めを受けて、日本政府は閣議決定で同島を日本領として島根県に編入しました。竹島はこれ以来日本領とされてきました。

    
    
     
 


 

 

 韓国は、
1952年に竹島を囲い込む境界線を設定、54年に常駐守備隊を配備し、占拠するようになりました。

 一方で、日本が竹島を編入した時期と、日本が韓国を植民地にしていった時期とが重なっているという問題があります。
1904年には第一次日韓条約が結ばれ、韓国の外交権は奪われ、異議申し立てができない状態でした。竹島はその翌年に日本に編入され、1910年には韓国併合条約が結ばれています。

 このような経過を考えれば、日本政府が韓国併合への根本的反省にたってこそ交渉のテーブルをつくることができます。

その上で、歴史的事実にもとづいて冷静に外交交渉で解決する努力が求められるのではないでしょうか。

 

     全千島列島

千島列島の問題は、日本の歴代政権がいかに外交能力がないかを示しています。

 歯舞群島(ハボマイ)、色丹島 (シコタン)は北海道の一部、南千島は日本領、北千島はロシア領、樺太(サハリン)は両国民が活動できる場所としたのが1855年の日魯通好条約です。その後、樺太(サハリン)と北千島を交換し、全千島が日本領になりました。

 第二次世界大戦で日本が敗れ、サンフランシスコ条約で千島列島の放棄を認めたのが、千島問題の始まりですが、米英ソのヤルタ協定を追認してしまった形になっています。

戦争によって領土を拡大することはしないとの国際原則に反するサンフランシスコ講和条約第二条C項。この千島列島放棄条項を廃棄することから領土交渉は始まります。

 ところが、根本問題をそのままにして、南千島の国後島、択捉島も北海道の一部だなどと訳のわからないことを言い、これまで日本の言うことが二転三転してきました。これでは交渉になりません。歯舞群島、色丹島は千島ではなく北海道の一部であり、即時返還されるべきものです。
 領土問題は、歴史的経過と国際法にもとづく冷静な交渉が必要です。