トップページへ 市民の健康を守れるのか 〝低レベルでも人体に影響ある〟は世界の常識 セメント工場は、放射能処理工場ではない セメント工場には、セメントの粉じんを除去する装置はありますが、放射性物質 除去を目的とする装置は備えていません。 問題となっている放射性セシウムは641度で気化するとのことです。 国の場当たり的な対応で将来に禍根を残すようなことがあってはならないと考え ます。
放射性セシウムはベータ線を出して崩壊しバリウム137m(不安定なバリウム)に変 化します。 バリウム137mから安定したバリウム137(放射線は出さない)にかわる時にガンマ 線を出すとのことです。 放射性セシウムの半減期は30年、バリウム137mの半減期は約3分と言われていま す。 大学レベルの放射線測定器であれば様々な放射線をはかれるとのことですが、セ メント工場の煙突から出ているセシウム137を含む排ガスは正確に測られているの でしょうか。内部被ばくで問題になるのはベータ線です。 原則は封じ込めと拡散防止 放射性物質処理の原則は、封じ込めと拡散防止です。福島第一原発周辺では、ど のようにしても人が住めない場所が出てきます。 100ベクレル以下は安全か 3.11東電福島原発事故以降の東電と民主党政権は、資料を隠す、発表を遅らせる 、安全を考えて規準を決めるのではなく、汚染の現状に合わせて規準を決めるなど という対応に終始しました。 食品規準の100ベクレル以下だから安全という言い方も、世界の常識からはずれ ています。 これまでの被ばくの研究から、人体に影響のない被ばくは存在しないことがはっ きりしてきています。 欧州放射線リスク委員会の考え方を取り入れているところは、だいたい20ベクレ ルとのことです。 小さい子ほど影響が大きい 人間の身体は約60兆個の細胞でできています。最初の細胞は、父親の精子と母親 の卵子が受精した、1個の受精卵です。それが細胞分裂を繰り返し人間の身体がで きていきます。 細胞には核があり、その中にDNAが入っています。全ての細胞のDNAには人間の 身体をつくる同じ遺伝情報が入っています。 放射線に被ばくするとDNAが切断されたり傷ついたりして遺伝子異常をひきおこ します。特に放射線に弱いのは、DNAが複製され細胞分裂がおこる時と言われてい ます。 乳幼児ほど被ばくの影響が大きいのは、成長するために細胞分裂が活発なためで す。 1ミリシーベルトの被ばくは、60兆個の細胞すべての核を通過するだけの線量とい うことです。1マイクロシーベルトであればその1000分の1の600億個の細胞の核に 放射線が通ることを意味します。 放射線の量が少なくても、放射線が透過したり照射される細胞の数が少ないだけ で、DNAが切断されたり傷つけられたりして遺伝子異常をひきおこすことに変わり はありません。 最近では、被ばくした細胞から被ばくしなかった細胞に被ばく情報が伝えられる 現象、被ばくの損傷を乗り越えた細胞が長期間にわたって様々な遺伝的変化を生じ 続ける現象等々、被ばくの研究から徐々に明らかにされてきているとのことです。 市民の安全・安心が第一 電化社、明星社とも、100ベクレル以下の水道汚泥を毎年受け入れていますが、 将来を見据え、判断を誤らないようにしなければなりません。 長期間、放射能汚染汚泥をセメントキルンに投入、処理し続けることによって、 大量の放射性物質がセメントキルンに投入されることになります。 空中浮遊する放射性物質を吸い込み内部被ばくする心配はないのか、糸魚川市が 放射能汚泥処理工場のまちになることによる風評被害はどうするのか。 既に行われている放射能汚染された下水道汚泥処理の問題も含め、明星セメント 株式会社、電気化学工業株式会社、糸魚川市の責任を明確にしておく必要がありま す。 基本は、低レベルであっても放射性物質は持ち込まないことではないでしょうか 。このような重大な問題を住民合意なしに進めることは許されないと考えます。
アメリカが核兵器を使って、それが人体にどんな影響を与えるかを研究するためにつ くられた機関。 低線量でもあびた放射線量と影響は比例する。放射線の量が少なくなるとリスクも少 なくなるが、ゼロにならない限りリスクはあるという考え方。 アメリカ科学アカデミーの中の BEIR - 電離放射線の生物学的影響に関する委員会 2005年7番目の報告『…委員会は以下の結論に達した。被ばくのリスクは低線量にいた るまで直線的に存在し続け、しきい値はない。最小限の被ばくであっても、人類に対し て危険を及ぼす可能性がある。こうした仮定は「直線、しきい値なし」モデルと呼ばれ る』 ※しきい値(閾値) … 症状が出はじめる最低限の被ばく量のこと。 ECRR -
欧州放射線リスク委員会 チェルノブイリの事故後、欧州の学者が中心になってつくられた組織。 すべてのものは微量でも影響はある。最初から、影響ないという考えを前提にするの は間違いという考え方。 日本の政府、放射線学会 100%危ないことを証明しない限り、これは安全である。ある一定の線量以下では影響 ない、という考え方。 放射線 … 放射性物質からとびだして、空気中や物質中を飛んでいる目に見えな い微細な粒子 放射線の主な種類 アルファ(α)線 透過力が弱い ウラン238(一部は自発核分裂で中性子線をだす) プルトニウム239 ベータ(β)線 透過力がある 半減期 … 放射線をだす力が半分になるまでの期間(物理学的半減期)。 ヨウ素131 …8日 セシウム134 …2年 セシウム137 …30年 ストロンチウム90 …29年 プルトニウム239 …24000年 ※ 人間の身体の中に入った場合の半減期は別になります。 DNA 身体をつくっている細胞の「設計図」のようなもの。 ベクレル 1秒間に1個の原子が放射線をだして別の原子にかわるのを1ベクレルと言います。 ホウレンソウ1kg当たり100ベクレルというと、1kgのホウレンソウが1秒間に100個の 放射線を出していることになります。 グレイ 放射線を浴びて人体が吸収したエネルギーの積算量。 シーベルト 放射性物質の種類によって放出される放射線の種類や強さが異なるので、それらを同 じレベルで見られるように調整したもの。吸収線量に放射線荷重係数を掛けて、人体に 対する影響を表したものです。
内部被ばく … 呼吸や食事で放射性物質がからだの中にはいってしまい、か らだの内側から放射線を浴びること。
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