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 誰もが、歩んできた人生の中で〝励まされた言葉〟や〝強く印象に残っている言葉〟〝好きな言葉〟があると思います。
 私も、これまで歩んできた中で、いくつか強く印象に残り、役に立っている言葉や格言があります。そのいくつかを紹介したいと思います。





      泣いて過ごしても一生、笑って過ごしても一生


 
生きていればいろいろな問題にぶつかります。悩むことも少なくありません。二十代の頃ではなかったかと思いますが、迷ったり悩んだりしていた時に巡り合った言葉です。
 泣いて悩みが解消されるなら泣いた方が良い。しかし、泣いても問題の解決に結びつかないなら、泣くだけ泣いたあとは、どうしたら解決できるか考え、解決に向け努力した方が悔いが残らないのではないか。この言葉で、割り切ることができるようになりました。





                  直 心


 
私の空手の師である川元先生は、直心(じきしん)を言われる時、「闘の精神」「律の精神」「和の精神」を説かれます。

 強い相手と闘う心、己を律する心、和をもって接する心、いずれが欠けても直心は貫けないと。
 直心でありたいと思います。



 

         過程にとらわれ目的を忘れてはならない


 私が小さい頃、しょっちゅう水害に見舞われていました。水田地帯で、舟入(ふないり)という地名からもわかるように、梅雨時には水田が水没することもたびたびありました。

 ある時、水没した水田をこのままにしておくと稲が溶けてだめになってしまうということがありました。

大川は水位が下がってきていたのですが、排水が間に合わず、その地域一帯の田んぼがまだ水没したままになっていました。

 亡くなった私の父が、「俺が責任をとる」と言って堤防を切ったのです。堤防は洪水を防ぐために必要なものであり、勝手に切ることは許されず、罰せられることにもなります。
おかげで排水が進み、稲の葉が顔を出し、何日か経ってから元通りに埋め戻されました。

    法律は何のためにあるのか、誰のためにあるのか。
     さて、あなたならどうしますか?





       為せば成る、為さねば成らぬ何事も
          成らぬは人の為さぬなりけり



 米沢藩主上杉鷹山の有名な言葉です。
こうしたい、こうなりたいという明確な目標をもって本気でやればできるものだ、できないのは本気でやっていないからだ、という教えと理解しています。

 必ずしも全てがそうなるとは限りませんが、明確な目標をもって実現めざして取り組むのと、何となく取り組むのとでは明らかに結果に差がでます。
 あきらめずに、必ず実現させるんだという強い気持ちをもって取り組むことの大切さを教えられました。





               何が問題か


 
農業技術指導員をめざしていた頃、思考法を学びました。
 困難の漠たる自覚、何が困難の原因かはっきりさせる、困難を解決するための方策を探す、解決策の試行錯誤、実行・解決、というようなことだったと思います。

 農業技術指導員は、最低限このような科学的思考ができないと務まりません。どうも稲に元気がない、何故だろうと原因をはっきりさせ、解決していくことが求められるからです。

 これをもっと凝縮させると、何が問題か、それを解決するにはどうしたら良いか、ということになります。枝葉ではなくて問題の核心をつかむことが必要です。

 市議会に出して頂いてからは、問題の核心をつかむことにもっとも気をつかっています。





           われ、事において後悔せず


 宮本武蔵の「独行道」の中にある言葉ですが、そう言い切ることができる凄さを感じます。 生半可なことでは、後悔せずとは言えないと思います。
 私も、そうありたいと願っています。






                痛みを知る


 正伝空手の講演会で聞いた言葉です。
 ここで言う痛みを知るとは、相手の心の痛みを、相手の立場にたって考えることができる人間になれ、ということです。

 「全人格にかかわる武道に執心を」と題した講演で、空手の技法鍛錬だけでなく、心法域の鍛錬の大切さを教えられました。